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色彩ショック...!

カラーデザイン講習2回目の所感です。

所感と言うと雑だな...泣きそうになった。自分の「知っていたけれど、感じていなかった」ことについて。

 

色が電磁波の可視スペクトルによる情報であること、「色の三属性」=色相・彩度・明度という基本の基本から。その導入の話が自分にとって「知っていたけれど、忘れていたこと(感じていなかったこと)」でした。

 

男性の20人に1人の確率で色覚異常(色覚特性、色弱とも言う)であること。

(昔は「色盲」と称していたが今は相応しくない言い方)

何故男性にだけかというのは、遺伝子は女性が「XX」なのに対し男性は「XY」であるので遺伝子情報「X」の片方が傷ついたら男性には「X」という情報が一つしかないから。女性は補う「X」がもう一つあるから色覚異常は見られないという。具体的に症状を言うと色の三原色「赤・青・緑」のうち「赤・緑」について程度の差はあれ判別できないというもの。(ごく稀に「青」が見えないという人が少数ある)

 

20人に1人って結構な確率だよ。

そして、以前同じ職場にいたM君が色弱だったことを思い出した。ファインダーを覗いたり映像編集する仕事だ。色弱な為、色のセンスがないと上によく叱責されていた。気弱な彼が、困った顔をしていたのを思い出して、先生がiPadで見せてくれた【色のシュミレーター】というアプリを通して見た色弱者の色の世界に、

 

、息を呑んだ。

 

...彩りがない。

 

...なんて寂しい世界なんだ。

 

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※アプリは「色のシュミレーター」で検索すれば出ます。無料。

 

教室内でどよめく驚きの声をよそに、自分も笑顔で感想を言いながら、目の奥が涙で潤んだのを必死で堪えたんだ。情報としては、色弱は知っていた。なのに、赤と緑が何色に置き換わって見えるか知らなかった。

 

彩りがあるはずの赤や暖色、緑など鮮度ある色が、全て茶色や茶褐色。そこに、青と、白と黒がある世界。

 

知らなくてごめん...と思った。絞るような後悔というか。

デザインに関わって、ユニバーサルカラーも知っていたつもりだった。自分が色をつけたものが色弱の人にどう見えているか、想像したこともなかった。

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※写真の引用先は以下サイトより

カラーユニバーサルデザインで”魅”せるプレゼンテーション Archives - ページ 2 / 2 - 学術英語アカデミー

 

向かって右側が色弱者の世界。

【色のシュミレーター】を通して隣の人の顔を写して見せて貰った。肌色は黄味がかっており、口紅の赤はドス黒い茶色だった。ショックだった。本当に何度も何度も、ショックを受けた。今更なんだけど...。

 

こちらも引用失礼します。

spotlight-media.jp

このサングラスには個人差があって、補正できない人もいるというレビューを読みました。赤だけ、緑だけ補正されるという人も。

 

色弱の人は、コーディネートのために服のタグにメモしたり、靴下の色履き違えがないように印をつけるか判別のできる白を選ぶか。そのような不便が日常生活にも普通にあって、色のない食卓を想像しただけで何だろう...やっぱり、寂しいよって思った。

 

三重苦のヘレン・ケラーは色が発する電磁波を感じ取って、触るだけでその色を言い当てたとのことだ。そこまで普通に五感がある人間には訓練しても習得できない感度であるけれど。色弱は個性というハンデである。ハンデという個性でありたいと願う。

 

稀に、「共感覚」と言って視覚・聴覚・臭覚・味覚・触覚が結合したまま成長し、音に色を感じたりする感性を持つ人もいるようだ。こちらは、被験者が少なく50人に1人とも、5000人に1人とも統計が取れないようである。「文字にそれぞれ色が見える」とか「音に色を感じる」と言ったら変人扱いされて黙ってしまうかららしい。そうかもしれない、その昔、音に色があるって主張している男子がいたのを思い出した。冗談だと思ってたよ。

 

 そのような話の触りを長男に伝えて、身近な友達か、赤や緑が見えにくいって人いる?って聞いたら、

「そういえば俺、赤とかたまに茶色に見える奴ある。結婚届とか離婚届とか茶褐色ての?に見えることあるな。」

 

え(;`Д´ノ)ノ!!!!知らなかった!!!

 

自分は、遠視すぎて遠くの山の木々の葉の茂みまで、校舎の窓からぼんやり眺めていたくらいだ。学校の視力検査は2.0を振り切っていた。見えることが見えなくなる世界が、怖い。色彩やピントが定まらない世界が怖い。だから、突然の暗闇は色の三原色粒子がザラザラして判別できなくなるから、怖い。

 

あるべき色が、光の恩恵を浴びて視細胞に認知されるという当たり前のことが、いかに大切か。色というものが、愛しくなるばかりだし奥が深い...(´д`)

 

まとめ。

 

知った上でも、やはり無力で何もできないのだが。知識として知っているだけのことと、その知識を感じることは別物だと思った。今自分が手がけているポスターやイラストを【色のシュミレーター】を通して見ることを時間が許す限りしてみようと思った。色弱の視野に合わせることは難しいけれど、知って寄り添いたいと思った。

 

そして、曖昧なまま分類していたパステルトーン/グレイッシュトーン/ダークトーンの色彩概念も(今更だよな!)思い出したし学んだ。