ペットショック
買出しに行ったショッピングモールにペットショップがあり、いつもは見ないように素通りするのだけど、娘たちが「見たい見たい」とせがむので覗きに行った。
ガラスケースの中で必死にアピールする犬たちを、娘たちのように無邪気に可愛いと思えず、値札の下に書かれた誕生日を確認しては「あぁこの子は、去年の6月からここに居るんだ・・・」「生まれて1ヶ月すぐで、親から離されてここに居るんだ・・・」潤んだ犬たちの瞳を、まっすぐに可愛いと思うより先に、ただただ不憫で可哀想としか思えなかった。
「抱っこしてみますか?」と和かに店員さん。
娘たちの目はキラキラと輝いたけれど、「ウチには2匹犬がいて、飼えるわけじゃないし情が移ってしまうから。」とお断りしました。それも本音だけど、無駄に他人に抱かれて犬だって疲れてしまうだろうし、本当にその子を肌で触れて抱きしめてしまったら、もう値段御構い無しに拐ってしまいたくなる。それじゃぁ、結果、誰も救われない。。
「じゃぁ、次に買う予定ができたら是非当店にお越しくださいね〜」
それは即ち、今家族の犬が死んでしまって居なくなったら、買いに来いということか。悪意のない無遠慮な暴言だと思った。もし、今の老犬と介護犬が居なくなったら、保健所で細々ながら消される命を助けよう、ということは決めてある。
二本足立で必死に立ってアピールする犬の目は、ただただ可哀想で、その場を離れるしかなかった。
店を出てから、長女に尋ねる。
「あそこに居る犬たち、売れ残ったらどこへ行くか知ってる?」
長女、急に顔を曇らせ「うん・・・知ってる。本で読んだよ。」
「だからお母さんは次は、保健所で探すんだもんね?」
ガラスケースで、あの子もあの子も温もり求めて寝て居るんだろう。
おやすみ。
おやすみ。。。