強制的休養もいいものだ
不安があった。
・・・依頼の仕事を最優先に動く姿勢でいなければ、クライアントに嫌われるって。「いつでも即時対応します!」って対応の裏に、犠牲にして来たもの・・・そう、子供との時間。
前職の印刷会社では人手不足で、夜中の校正や印刷、断裁から梱包まで自分一人でしていた。一日の半分以上は会社という・・子供の将来を考えての離婚と転職のはずが、随分、留守番をさせて寂しい思いをさせてしまった。
子供との時間を優先にしよう、長男の小学校卒業式も出られないなんて有り得ない。過労で倒れたそのまま、退職して休養して、当時のクライアントに仕事を回してもらいながらフリーランスとなって、気がつけばもう3年目の今年の春の状況は・・
副業クライアントも多いので、休み前に依頼が来て「休み明け、週明けにデザイン原案出して」なんてことばかりだった。「近くにいるから、今打ち合わせを」「なる早で!」そうしていつでも仕事のために時間を差し出して来たと同時に、失ったままの子供との時間・・・
ズバッと!
断ち切りました!
自分勝手な依頼!
不安があったよ。
クライアントが、仕事が途切れたら。子供との時間は得られても収入の確保は難しい。子供を満遍なく自立させてなお、子供に頼らず自分も自立して仕事の軌道を確保しなければって。
でも、「今」しかない子供との時間は今日は今日だけ。
昨日見送った時間はもう二度と戻らない。
笑顔も一緒に戻らないの。
寡婦連合会の企画で娘たちと温泉旅行に
離婚前に行ったことのある温泉リゾート・・娘たち、覚えてもいないって。そりゃそうだよ。もう5年も、旅行とかしてなかったね。ごめんよ本当に。
年長だった長女は、小学校5年生に。
年少だった次女は、小学校3年生に。
長男は高校生だよ。もう社会人として出すカウントダウンだよ。
失った時間は戻らないけれど。
幸せの一瞬一瞬を紡ぎ合わせる日々で。
温泉プールで笑顔満面な娘たちの様子を、縁側の爺さんみたいに眺めていた。
遠くでも手を振るふたり「楽しいよ!見てる?」そんな嬉々とした姿を。ウオータースライダーに向かって手を繋いで水の中をスキップする後ろ姿とか、ずっと眺めているだけで幸せだった。小さめ長女と大きめ次女は、双子みたい。いつでも孤独じゃない、子供3人の子育ては大変だけれど、ひとりっ子じゃない支え合う姉妹で良かったって、思う。
そんなで縁側の爺さんみたいだったわ。
気がつけば正味三時間は、プールサイドで肩を冷やして眺めてたとさ。自分にとってメインにしたかった温泉は、時間なく慌ただしかったけれど十分。布団に入って8時間きっかり寝たのも、久しぶり・・・何年振り?留守番の長男にお土産を買う。
色々、正直キツキツでこれまで頑張りすぎだったかも自分。
早速もう今週末までタイトなブッキング仕事をひとつずつ確実に仕上げて納品するまでまた怒涛である日々は変わらないのだが。
今週末は、娘たちの学習発表会。
毎日、少しずつでいい、強制的に仕事から離れてリセットすることも必要だなと。
一泊温泉旅行から帰り、留守番だった長男がクックパッドで仕入れた夕食メニュー・チキンソテーをご馳走になりながら、また染み染みと思う。
子供がいるから、頑張れるんだよ。
子供の笑顔あっての、仕事だよな。
こんな自分ごと、同情でも金銭条件でもなく「自分と仕事がしたい」って思ってくれるクライアントを大切にしていきます。
もう、無茶な理不尽の為に頑張らなくていい。
そう・・自分は、グラフィックデザインだけではない謎な美術小道具やジオラマ、アナログペイントも請け負います。締め切り迫る!引き続き頑張るよ!