泣いて笑って、拗ねてもいい。
ちょっと古めの作品。
でも現代の子どもを廻る寂しい報道にマッチし一層抉るテーマ。
表現豊かで刹那、孤独な身を寄せ合う星の子学園の子どもたち。親に捨てられても、親は恋しい。参観日は、寂しい。事故死体の猫に「あたしもそないなって死ぬんやろか(中略)親がおらん子のことなんか、誰も本気で心配してくれやらへんやろ。」そんな絶望的な悲しさを漏らしながら、涙して笑みて懸命に生きてる。
悪態ついてもいいよ、
泣いてもいいし、
嘘ついてもいい。
くだらないことで笑え。
空想にダイブしエスケープ。
「でも だんだん悲しいのに慣れてくるんだ。」
家に帰る夢の途中、夢から覚めたくて石段に座って空を見上げる少年、山下静。
春男が、ホームで母と別れるシーンは悲しい。
「病気とかなったらアカンで。またオレと会うてなっ。オレずっと待っとるさけな。絶対忘れんとってや。」母は笑みもせず、乾いた瞳で「うん...」とだけ。
北海道は、子どもの新学期が台風上陸の豪雨と共に始まったよ。
笑顔で帰宅の娘たちと何気ない会話、昼ごはんの卓で。雨の音が誘うように、ずっと星の子学園の子どもたちが頭から離れない。娘たちは、幸せでよかった。
毎日の積み重ねが、幸せであるし、子どもが皆そうでありますように。帰る家に灯りと暖かい食事と布団がありますように。