memorandum

逆さま思考な備忘録_φ( ' ' )

和也という男。

保育所から、小学校、中学校まで同級生だった男の話。

和也という。

私は彼のことを尊敬の意味を込めて忘れられない。

 

昔は、今のように「自閉症」「発達障害」とした細分化がなく、今なら特殊学級に別れてしまうような子ども、例えばおしめをした子や、発達未熟できちんと歩けない子や、攻撃性のある子や、学習机に座っていられなくて奇声を発する子も一緒に勉強していた。田舎で人数が少なかったので学年にクラスはひとつだったし、私のクラスは多くて17人だったけれど、5人、2人の学年もあって複式学級、運動会や学芸会は、小中学校生徒も先生も地域も、一丸となって皆が主役でたくさんの役割があった。

 

小学校2年生の頃、歴史ある校舎が漏電で火事となって消失する。忘れもしない。10月20日木曜日のことだ。当日は、学校の祝日で休みだった。その話は、今度触れよう。

 

和也のこと。

和也は、今でいうと自閉症スペクトラムの類であったと思う。言語が遅く、コミュニケーションとか協調生がなかった。でも愛嬌のある笑顔と、素直で純粋な心の持ち主だった。特に、尊敬していたのが車、特に電飾ダンプカーが大好きでその絵がとても細かくて上手だった。何も見ないでサラサラと描く様は芸術肌だった。あまり自己主張をしない和也が、中学1年生の時に「トレイントレイン」が大好きだ、ブルーハーツが大好きだって熱弁して教団で歌った姿を鮮明に覚えてる。

 

自分は当時、ブルーハーツも「トレイントレイン」も知らなかった。「リンダリンダ」も和也から教えてもらった。映像も何も情報を知らない自分にとって、和也が歌う「トレイントレイン」「リンダリンダ」がとてつもなくロックでカッコよかった。

 

和也を思い出す時、そのピュアで控えめな笑顔とブルーハーツ、ダンプカーのイラストを思い出す。大学生の頃、風の便りで自動車整備工の職を得て働いていると聞いた。適職だと思った。和也なら、例えばコミュニケーションが難しいような時でも、きっと手を差し出して助けてくれる仲間がいるはずだ。欲がないから贅沢もしないのだろうが、好きな車と油まみれになりながら向き合って、自立して行くんだろうと思って嬉しかった。

 

いつまでもどこまでも、ピュアであることは才能だ。